エアノズルは飲料缶製造工程などの水滴除去に使用されます。一度に全ての面から水滴を除去することは難しく、側面と上下面で工程を分けることもあります。
また、缶の回転を利用して水滴を除去する特殊なエアノズルも存在します。エアノズルを導入する際は、適切な圧力と流量、材質、噴射形状、取り付け位置の確認が必要です。特に材質は水に耐性のあるものを選び、噴射形状は水滴を除去したい面積に合わせて選ぶべきです。
エアノズルの取り付け位置は飲料缶に近いほどよく、取り付けに際してコンベアやレールの存在も考慮する必要があります。
【活用例】飲料缶の水滴除去
飲料缶の製造工程において内容物を充填した後にあるのが洗浄工程。洗浄時の水滴を除去する(液切り工程)ためにエアノズルを使用します。
一度にすべての面の水滴を除去するのは難しいため、側面と上面・底面では工程を分けることもあります。
側面の水滴除去においては飲料缶を回転させた方が水滴を除去しやすいという特徴があります。
一般的なエアノズルでは飲料缶の回転には対応していませんが、特定のエアノズルでは回転させながら水滴を飛ばす方法が採用されています。
エアノズル導入の際の注意点
エアノズル導入の際にはいくつかの注意点があります。
必要な圧力・流量の確認
水滴除去では必要な打力(水滴を吹き飛ばす力)を発生させるため、一定以上の圧力や流量が必要になります。特に圧力は装置一次側のレギュレーター圧力に従うことになりますので、よく確認しましょう。
使用環境の確認
水で腐食しない材質か確認しましょう。水滴除去前の飲料缶には水分が付着しています。水滴除去時にはこれらの水分が飛散するため、水に耐性のある材質を選ぶ必要があります。
使用環境の温度も確認しましょう。ボディだけでなくパッキンも含めて、使用環境下で使える材質でないと装置への取り付けはできません。
噴射形状(エアノズル仕様)の確認
噴射時のエア形状(下から噴射口を見上げたときのエア形状)は、円形や薄板形状などエアノズルによってさまざまです。エアの形状の寸法はノズルから飲料缶までの距離、スプレー角度、圧力によって決まるため、水滴を除去したい面積を考慮して決める必要があります。
エアノズルの取り付け位置
その工程でどこの面を対象にするのかで、エアノズル取り付け位置が変わってきます。たとえば缶を例に取ると、ある工程では側面の水分除去のみ行って上面や底面は別の工程で実施するのか、一つの工程ですべて終わらせたいのか、といったことです。
エアノズルは可能な限り飲料缶に近い場所に設置しましょう。飲料缶までの距離が長ければ長いほどエアノズルの打力が小さくなるため、その分余計に圧力や流量が必要になります。
とはいえ、物理的に難しい場合もあるでしょう。飲料缶はコンベアやレールで運ばれることが多いですが、コンベアのガイドやレールそのものがエアノズル設置の妨げになることもあります。
水滴除去に貢献するトリーエンジニアリングのエアノズル
トリーエンジニアリングでは、飲料缶の水滴除去に適した搬送ガイド付きエアノズルのラインナップがあります。
ガイド付きエアノズル Hayate Type-G
飲料缶の水分除去に最適なエアノズルがあります。それは弊社トリーエンジニアリングが展開する「Hayate Type-G」。このエアノズルは搬送ガイドとエアノズルが一体となったタイプで飲料缶を回転させながらの水滴除去が可能です。
一般的に水滴除去には風速110m/s以上必要といわれていますが、このエアノズルでは130m/sを実現。一般的な汎用エアノズルの45m/sの約3倍の風速があるため、水滴除去の信頼性は十分にあります。
材質はSUS304のため、水分が飛散する環境の使用でも問題ありません。
Hayate Type-Gのその他の仕様は表1の通りです。
表1. Hayate Type-Gの仕様
供給口径 | 材質 | 質量(g) | 最高使用圧(MPa) | 耐熱温度(℃) | エア消費量(L/min)※0.6MPa時 |
1/8 | SUS304 | 約420 | 0.8 | 250 | 250 |
テスト用サンプルノズルの貸出は随時行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。