SDGsで謳われている「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」。そして地政学リスクからなる燃料費や電気代の高騰。
人類が豊かになることを目的として発展してきた製造業(工業)ですが、近年では同じくらい省エネや節電に対する取り組みも重要視されています。
この記事では、エアノズルの概要とエアノズルによる省エネ対策を解説しています。メーカーや工場の設備導入担当の方や設備設計担当の方は、ぜひ最後まで読んで下さい。
目次
工場に求められる省エネと節電対策
省エネや節電をはじめとするSDGs達成のための取り組みは、もはや企業の社会的責任と考えられています。これらを無視して生産した製品が一時的に売れたとしても、やがて社会の中で孤立してしまうかもしれません。そのような製品は持続可能性がないからです。
工場で使用されている電気代の内訳
工場で使用される電気代(電力)のうち、約8割が生産設備といわれています。照明のLED化や空調の温度調整も必要ですが、抜本的に電力使用量を削減するなら生産設備の省エネ化あるいは節電が必要なのです。
工場の省エネ・節電対策アイディア5選
ここでは、工場の省エネ・節電対策に役立つアイディアを五つ紹介いたします。照明や空調など基本的なことから、施設側の対策も紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
照明のLED化や人感センサによるON/OFF
もっとも取り組みやすい対策は照明のLED化です。現在の照明が蛍光灯などの場合、すべての照明をLED化すると約86%程度の節電効果が期待できます。
照明が必要なのは人間がいる空間であり、人間が仕事をする時間のみです。そのため、人間に反応してONになる人感センサーを設置すれば、人間が仕事をしている時間しか照明が付かないようになります。
場合によっては作業エリアの再編や作業導線の変更も必要になるかもしれません。作業改善を含む導入の手間と、照明のLED化による節電効果を総合的に加味して対策を進めましょう。
空調設備の温度設定や稼働時間の管理
照明と同様に人間がその場にいると必要になるのが空調です。設定温度を施設側で管理することはもちろんですが、稼働時間も管理すれば節電効果が期待できます。
しかし、基本的には空調を稼働させないと人間が働ける環境は確保できません。業務改善や作業を見直して、効率をあげて残業を減らす(=空調の稼働時間を減らす)といった対応も必要になります。
太陽光パネルの設置
電力使用量を減らすことも大切ですが、電力会社以外から電力を確保することも大切です。工場の屋根に太陽光パネルの設置を検討するのもいいでしょう。他にも駐車場の屋根や、敷地内の空き地などに太陽光パネルを設置できます。
発電量と設置面積の目安を表1に示します)。
表1. 太陽光パネルの発電量と設置面積の目安
最大出力(kW) | 発電量(kWh/年) | 設置面積(㎡) |
10 | 10,000〜12,000 | 100〜150 |
30 | 30,000〜36,000 | 300〜450 |
50 | 50,000〜60,000 | 500〜750 |
100 | 100,000〜120,000 | 1,000〜1,500 |
従業員数29人以下の小規模な工場の場合、必要な電力(出力)は100kW前後とされています。ちなみに東京ドームの面積が約47㎡のため、消費電力のすべてを太陽光発電で賄うのは現実的ではありません。太陽光発電は、あくまでも電力会社から購入する電力量を一定量削減するもの、という位置づけです。
大型蓄電池の導入
太陽光パネルだけだと発電してもその場で使用する必要があります。発電した電力を蓄電する場合には産業用の大型蓄電池が必要になるのです。蓄電しておけば停電時など緊急を要する場合のバックアップ電源としても使用できます。
太陽光パネルを設置しなくても蓄電池のメリットはあります。たとえば単価の安い深夜時間帯に電力会社から電力を調達して蓄電すれば、電力の平均単価を下げられます。
消費電力の見える化
生産設備や照明/空調にどの程度電力を使用しているのか「見える化」することも大切です。見える化することで、今まで分からなかったムダな電力が見つかることもあります。
しかし消費電力の見える化は、それそのものに節電効果はありません。見える化はあくまでもPDCAのきっかけであり、例のように節電対策が別途必要になることを覚えておきましょう。
工場の省エネ・節電対策に最適なトリーエンジニアリングのエアノズル
ここで生産設備の具体的な省エネ・節電対策を一つ紹介いたします。
高効率・省エネタイプの設備の導入
生産設備は日進月歩で進化しており、当然新しい設備の方が高効率となっています。そのため、生産設備を更新すれば節電対策になりますが、すべての生産設備を更新するのは難しいでしょう。
しかし、ポイントを絞っての対策なら可能です。生産設備の省エネ対策(節電)において重要なポイントの一つがエアです。
エア消費量の削減が節電対策になる理由
工場内で使用されているエアは基本的にコンプレッサで生成された圧縮空気です。コンプレッサは大気を取り込んで圧縮空気を生成し、タンクに蓄積します。コンプレッサの動力源は電力であるため、エアの消費量を削減すれば節電になるのです。
トリーエンジニアリングのエアノズル「Hayate」
エア消費量を削減するにはエアチューブ等からの漏れをなくしたり、高効率のエアシリンダを導入したりする方法があります。その中でも比較的取り組みやすくて効果の大きい対策がエアノズルの変更です。
トリーエンジニアリングでは「Hayate」というシリーズのエアノズルを製造・販売しています。Hayateはノズル先端での乱流を抑制する形状設計により、そもそもエア消費量が少ないうえにノズル先端部で発生する負圧により周囲の大気を巻き込むため(大気二次エア)、エア流量のわりにエア消費量が少ないのです。
エアノズルの節電効果
Hayate-Type-S05のエア消費量は150L/min、お客様のご使用頻度の高い3社の平均は797L/minです。年間コストはHayate-Type-S05が17,280円、お客様のご使用頻度の高い3社の平均は91,853円となり、電力使用量は約1/5となるのです(※)。この試算はノズル一つあたりですので、工場で使用しているノズルの数を考慮すると節電効果が小さくないことが分かるでしょう。
(※)エア生成コスト:1円/㎥、年間稼働時間:1,920時間として計算
1,920時間の内訳は8時間/日✕20日/月✕12か月/年
お客様の声
お客様から次のようなお言葉をいただいております。
「エア消費量が従来比1/5になった」
「トータルの年間ランニングコストが数十万円〜数百万円ほど下がった」
このように弊社のエアノズルが多くのお客様の工場運営の役に立ち、ひいては地球環境の改善に貢献します。
テスト用サンプルノズルの貸出は随時行っています。ぜひお気軽にトリーエンジニアリングまでご連絡ください。