エアノズルはペットボトルキャップなどの外観検査の精度を向上させる役割を果たします。
これは、エアノズルが水滴や異物を吹き飛ばし、検査中の誤判定を防ぐからです。導入時には、適切な圧力と流量を持つエアノズルを選ぶこと、水飛散に耐えられる耐腐食性の材質を選ぶこと、そして噴射形状が対象物に適合することが重要です。
【活用例】ペットボトルキャップの外観検査の精度向上
外観検査とはマーク(印字や模様・ロゴ)の欠けやにじみ、キャップ全体の汚れなどを画像で判別する検査のことをいいます。
たとえば水滴が残っているとカメラが水滴越しにキャップのマークを見ることになります。マークを正確に識別できず、異常がないにもかかわらず外見検査で不良になってしまう場合があります。
そのため、水滴や異物を除去する必要があるのです。
エアノズル導入の際の注意点
必要な圧力・流量の確認
水滴・異物除去では一定以上の打力(異物を吹き飛ばす力)を持つエアノズルが必要になります。そのために必要な圧力や流量をよく確認しましょう。特に圧力は装置一次側のレギュレーター圧力に従うことになります。
周囲の環境の確認
洗浄後の工程のため、キャップについた水分がエアによって飛散することが予想されます。水に対して耐腐食性のある材質のエアノズルを選ぶようにしましょう。
噴射形状(ノズル仕様)の確認
キャップの側面と上面では使用するノズルが異なる場合があります。側面ならフラットタイプが適合しやすく、概ねTypeF。
上面はTypeS、デモ機を使用し選定しましょう。
エアノズルの取り付け方法
キャップの外観検査では残留している水滴やパーティクルがあると検査に合格しません。容器形状に最適な位置で固定しましょう。
外観検査の精度向上に貢献するトリーエンジニアリングのエアノズル
トリーエンジニアリングでは、キャップの水滴・異物除去に適したフラットタイプエアノズルと円錐形エアノズルのラインナップがあります。
フラットタイプエアノズル Hayate Type-F
フラットタイプノズルのノズル幅を選択したいときは、Hayate Type-Fを検討しましょう。ノズル幅は40〜160mmの中から選べ、200mmまで特注対応可能です。
Hayate Type-Fは大気エア(二次エア)を巻き込むため、入力したエア量の割に高い流量が得られます。そのため、ノズル口から100mm離れた場所でもフラットエアを実現しているのです。
表1. Hayate Type-Fの仕様
供給口径 | 材質 | 質量(g) | 最高使用圧力(MPa) | 耐熱温度(℃) | エア消費量(L/min)※0.6MPa時 |
1/8〜1/4 | アルミSUS304 | アルミ:約80〜330 SUS304:約240〜970 |
0.8 | アルミ:200 SUS304:250 |
150〜647 |
円錐タイプエアノズル Hayate Type-T
よりピンポイントに異物を除去したい場合にはエアの噴射形状が円筒形であるHayate Type-Tを検討しましょう。
圧力と噴射距離によりエアの幅を変えられるため、金型の角など入り組んだ場所で有効に使えるでしょう。
表2. Hayate Type-Tの仕様
供給口径 | 材質 | 質量(g) | 最高使用圧力(MPa) | 耐熱温度(℃) | エア消費量(L/min)※0.6MPa時 |
1/8 | アルミ | 約20 | 0.8 | 200 | 150 |
テスト用サンプルノズルの貸出は随時行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。