エアブローの省エネを図る方法5選

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日本の電力使用量のうち約50%は一般製造工場で使われており、そのうち約20%がコンプレッサーエアといわれています。そして、そのうち約40%がエアブローやエアナイフに使われているといわれているのです。

この記事ではエアブローの省エネを図る方法を解説しています。工場の省エネ化を進めている施設担当の方や、設備担当の方はぜひ最後まで読んでみてください。

エアブローの省エネ効果

エアノズルが必要な理由

エアブローの省エネ対策をすすめる前に、エアノズルを使用することが大前提となります。
そもそもエアノズルはなぜ必要なのでしょうか?

エアを吹く(エアブロー)だけなら、エアチューブの端面を大気開放すれば可能です。しかし、それでは乱気流による騒音や過度な圧縮空気の消費が起こってしまいます。

これらの問題を防ぐためにエアノズルがあります。

エアブローの省エネ対策

エアブローの省エネ対策には、後述のようにさまざまな方法があります。このうち代表的な方法について、エネルギー(エア消費量、あるいは電力使用量)削減効果の一例を示します。

● 通常のエアノズルを省エネタイプエアノズルに変更:エア消費量約80%削減(当社エアノズルHayateを使用した場合)
● パルスブローバルブ(間欠運転)を導入 :エア使用量約50%〜60%削減(ただし、連続して流れる者には不向き)

エアブローの省エネを図る方法5選

省エネタイプのノズルに変更する

省エネタイプのエアノズルの導入は、簡単に省エネを図るには最適な手段でしょう。イニシャルコストはかかりますが、エア消費量削減効果が高い特徴があります。

省エネタイプのエアノズルは入力した空気だけでなく、噴射口付近の空気を巻き込んで入力した空気と同様に吹き出します(大気二次エア)。そのため、入力した以上のエア流量が得られ、省エネに貢献するのです。また、よりエアの流れがきれいになり、騒音が小さくなるという効果も期待できます。騒音は直接省エネには貢献しませんが、工場の労働環境改善には寄与するでしょう。

間欠運転用バルブ(パルスブローバルブ)の導入

エアブローの無駄なところは、エアを常時吹いていること。エアの噴射/停止を一定サイクルで繰り返すことにより、異物除去などエアノズルの効果を保ちながらエア消費量をおさえられます。

噴射タイミング(スパン)は調整可能で、1sec間に数回ON/OFFを繰り返すタイプもあります。ON/OFFのスパンが短いとブローする度にピークが発生するため一見無駄なようにも思えますが、エアOFFの時間があることで消費量に対して有利にはたらきます。

ただし、連続して流れる物には不向きなのでご注意ください。

省エネタイプのコンプレッサーに変更する

コンプレッサーを高効率タイプに変更するのも有効です。

ブロワーと同様、必要なコンプレッサーエアは時間とともに変化するためコンプレッサーが常に一定回転数で回転する必要はありません。インバーターがあれば状況に合わせて回転数を変えられるため、省エネ効果が期待できます。また、複数のコンプレッサーを集中制御できる装置もあるため、そのような装置を使用すれば工場全体の削減効果も期待できます。

コンプレッサーの設定変更/点検

コンプレッサーの設定圧力は、二次側の装置稼働に必要な圧力となります。装置稼働に必要な圧力を把握し、コンプレッサーの設定圧力は必要最低限としましょう。ちなみにコンプレッサーの設定圧力を0.1MPa下げると、約10%のエネルギー削減になるといわれています。

コンプレッサーの点検も重要です。コンプレッサーには大気中から取り込んだエアに含まれている異物を除去するためのフィルターが付いています。このフィルターが目詰りすると、エアを吸引するのにより大きな力(電力)が必要なるため、定期的にフィルターを清掃しましょう。清掃ではエアガンを使ってフィルターに付いた異物を除去しますが、除去できなくなった場合はすみやかに交換するようにしましょう。

タンクのドレン(排水)も大切です。大気中から取り込んだエアには水分が含まれています。特に梅雨や夏など湿度が高くなる季節は水分も多くなります。タンクにドレンが溜まっていくと圧縮エアを溜められる容量が小さくなり、コンプレッサーのON/OFFが頻繁に行われるようになり電力が無駄になります。手動の場合は定期的にドレンを排出し、定期的な排出が困難な場合には自動で排出してくれるオートドレンもあります。

空圧回路のエア漏れ確認

エアーコンプレッサーの点検も大切ですが、装置全体(空圧回路全体)のエア漏れ確認も大切です。エア漏れは工場全体のエア使用量の約5%といわれています。

エア漏れの主な発生箇所はホース・チューブ(破れ)、継手(劣化)のほか、ドレンコック、パッキン、バルブ(緩み)など多岐に渡ります。基本的には劣化による破れ、緩みが原因です。

エア漏れを確認するには装置を止めて静かな環境を作り、「シュー」という音がしていないか確認します。装置を止めるのが難しい場合は、漏れが疑われる場所に石鹸水を塗布しましょう。エアが漏れていれば石鹸水が泡になります。同様にエア漏れ音がしないような小さな孔も、石鹸水により確認できます。

エアブローの省エネに最適なトリーエンジニアリングのエアノズル

トリーエンジニアリングのエアノズル「Hayate」

エアブローのエア消費量を削減するにはエアチューブ等からの漏れをなくしたり、高効率のエアシリンダを導入したりする方法があります。その中でも比較的取り組みやすくて効果の大きい対策がエアノズルの変更です。

トリーエンジニアリングでは「Hayate」というシリーズのエアノズルを製造・販売しています。Hayateはノズル先端での乱流を抑制する形状設計により、そもそもエア消費量が少ないうえにノズル先端部で発生する負圧により周囲の大気を巻き込むため(大気二次エア)、エア流量のわりにエア消費量が少ないのです。

エアノズルの節電効果

Hayate-Type-S05のエア消費量は150L/min、お客様のご使用頻度の高い3社の平均は797L/minです。年間コストはHayate-Type-S05が17,280円、お客様のご使用頻度の高い3社の平均は91,853円となり、電力使用量は約1/5となるのです(※)。この試算はノズル一つあたりですので、工場で使用しているノズルの数を考慮すると節電効果が小さくないことが分かるでしょう。

(※)エア生成コスト:1円/㎥、年間稼働時間:1,920時間として計算
1,920時間の内訳は8時間/日✕20日/月✕12か月/年

お客様の声

お客様から次のようなお言葉をいただいております。

「エア消費量が従来比1/5になった」
「トータルの年間ランニングコストが200万円ほど下がった」

このように弊社のエアノズルが多くのお客様の工場運営の役に立ち、ひいては地球環境の改善に貢献します。

テスト用サンプルノズルの貸出は随時行っています。ぜひお気軽にトリーエンジニアリングまでご連絡ください。