エアノズルは冷菓製造の金型から異物を除去する際に利用されます。金型内の異物は冷菓の形状に影響を及ぼし、品質低下に繋がるため、これをエアブローで取り除く必要があります。
エアノズル導入時には、適切な圧力と流量、使用環境、噴射形状、取り付け位置を確認する必要があります。特に使用環境では、冷菓の金型が氷点下になる可能性を考慮し、その対応が確認されているかチェックが必要です。
また、噴射形状は異物の存在場所や形状により、エアノズルの形状を選ぶべきです。設置位置は金型に近いほど効果的であり、特に円錐形エアノズルの場合、エア同士の干渉に注意する必要があります。
【活用例】冷菓成型の金型の異物除去
冷菓(アイスクリームやアイスキャンディなど)は金型に材料を流し入れた後、金型ごと冷却して作ります。
このとき、金型の中に異物が残ることがあります。冷菓の製造では金型に合わせて形状が決まるため、金型に異物が付着していると異物が冷菓に付着したり、冷菓の表面にくぼみができて不良となってしまうのです。
そのため、金型に付着した異物をエアブローによって取り除きます。
エアノズル導入の際の注意点
エアノズル導入の際にはいくつかの注意点があります。
必要な圧力・流量の確認
異物除去では一定以上の打力(異物を吹き飛ばす力)を持つエアノズルが必要になります。そのために必要な圧力や流量をよく確認しましょう。特に圧力は装置一次側のレギュレーター圧力に従うことになります。
使用環境の確認
冷菓の金型は冷却時に氷点下になることが予想されます。最高使用温度はカタログに記載されていますが、氷点下における使用には言及していない場合があります。そのため、メーカーの担当者に確認するようにしましょう。
噴射形状(エアノズル仕様)の確認
噴射時のエア形状(下から噴射口を見上げたときのエア形状)を考慮してエアノズルを選定しましょう。金型の中で樹脂カスが発生する場所によって必要な噴射形状は異なります。
たとえば、フラット面であればフラットタイプが、入り組んだ面であれば円錐形タイプなどピンポイントでアクセスできるエアノズルが必要になるでしょう。
エアノズルの取り付け位置
ノズルから金型までの距離が長ければ長いほど、エアの打力が小さくなります。そのため、可能な限り金型の近くに設置しましょう。円錐形のエアノズルを使用する場合はエア同士の干渉にも注意が必要です。
異物除去に貢献するトリーエンジニアリングのエアノズル
トリーエンジニアリングでは、金型の異物除去に適したフラットタイプエアノズルと円錐形エアノズルのラインナップがあります。
フラットタイプエアノズル Hayate Type-F
フラットタイプノズルのノズル幅を選択したいときは、Hayate Type-Fを検討しましょう。ノズル幅は40〜160mmの中から選べ、200mmまで特注対応可能です。
Hayate Type-Fは大気エア(二次エア)を巻き込むため、入力したエア量のわりに高い流量が得られます。そのため、ノズル口から100mm離れた場所でもフラットエアを実現しているのです。
表1. Hayate Type-Fの仕様
供給口径 | 材質 | 質量(g) | 最高使用圧力(MPa) | 耐熱温度(℃) | エア消費量(L/min)※0.6MPa時 |
1/8〜1/4 | アルミSUS304 | アルミ:約80〜330 SUS304:約240〜970 |
0.8 | アルミ:200 SUS304:250 |
150〜647 |
円錐タイプエアノズル Hayate Type-T
よりピンポイントに異物を除去したい場合にはエアの噴射形状が円筒形であるHayate Type-Tを検討しましょう。
圧力と噴射距離によりエアの幅を変えられるため、金型の角など入り組んだ場所で有効に使えるでしょう。
表2. Hayate Type-Tの仕様
供給口径 | 材質 | 質量(g) | 最高使用圧力(MPa) | 耐熱温度(℃) | エア消費量(L/min)※0.6MPa時 |
1/8 | アルミ | 約20 | 0.8 | 200 | 150 |
テスト用サンプルノズルの貸出は随時行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。